Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

与布土温泉

 スーパー銭湯型温泉で、温浴施設はよふど温泉極楽湯といい、温泉のある森地区の極楽という地名が名前の由来になっている。施設は平成12年(2000)12月2日のオープンだが、それ以前は但馬学習農園に湧出していたという。つまり、オープン以前の開湯ということになるのだが、その具体的な時期は判らなかった。また、その経緯のためか、地図には与布土温泉と漢字で載っている。

 口伝では、その昔に西来寺という真言宗の大寺があり、この寺に参拝すると極楽往生を約した御札が貰えるということから極楽の里と呼ばれるようになったと伝えられ、それがそのまま今も字として残っているが、現在は農村の原風景に溶け込む温泉とパンフレットにあるように、周囲には田園風景が広がり、山間の鄙びた雰囲気が漂っているだけで、たくさんの参拝客で賑わったであろう往時は想像もできない。強いて言うなら、田園の中にポツンと建っているこの温泉が、いろいろな人を訪れさせる現代の西来寺といったところだろうか。

 地下1200mから汲み上げた温泉の泉質は、ラドンを含む湧出温度25.1℃の単純泉の低温泉で、湧出量は毎分60Lという。また、施設の浴槽は、都会的な凝ったものはなく、ジェットバスが付いている大きな浴槽とサウナ、露天風呂というシンプルな構成である。訪れた時の露天風呂は岩風呂のほうだったが、夕刻の空の色もあって、なかなか風情があった。

 土曜ながら夕方5時という時間が良かったのか、露天風呂も含めて風呂に10人ぐらいしかおらず、のんびりと湯につかることができたが、帰る頃にはどんどんと人が入ってきて多少混雑し始めたので、時間帯によって割と混雑の差がある温泉のようだ。来られた方の格好を見ても、地元の常連の方々がよく利用している温泉なのだろう。周囲の農村風景からすると、雨の日などは農作業を休んだ近隣の人々のサロンになり、賑やかなのかもしれない。

 

最終訪問日:2004/8/21