Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

青玉神社

青玉神社説明板

 多可町加美区の国道427号線にある道の駅杉原紙の里多可の向かいには、杉の巨木が深い杜を作り出している一角がある。これが天戸間見命(アメノトマミノミコト)と大歳御祖命(オオトシミオヤノミコト)を祀る青玉神社の境内で、他の神社では見られないような凛とした静けさと、木立の深さがとても印象的な、神社らしい神社だ。

 主祭神である天戸間見命は、別名天目一箇神(アメノマヒトツノカミ)とも呼ばれ、天照大御神(アマテラスオオミカミ)と建素戔嗚(スサノオ)が誓約を行った際に、スサノオが噛み砕いた玉から生まれた5神の中の1柱であり、鍛冶の神である。もう一方の主祭神である大歳御祖命は、そのスサノオの子にあたる神で、一般には年神や大年神と呼ばれ、正月に来訪する神様として信仰されてきた。だが、本来的には稲の実りを司る穀物神である。

 播磨風土記には、天戸間見命と同一と見られている天目一命の神話が、託賀(多可)郡の話として出てくるが、これは、製鉄や製銅の集団と農耕集団の融合を示しているという。この神話から考えると、青玉神社で性格の違う2柱が祀られているのは、鍛冶集団と農耕集団が融合した結果、双方の信仰する神を合わせて祀った為なのかもしれない。

 境内には巨木が多く、県の天然記念物に指定されている樹齢600年~1000年の木が7本あり、太古の昔を連想するような独特の空気感を醸し出している。中でも周囲8m以上、樹齢1000年以上という、夫婦杉と呼ばれる大木が最大のもので、非常に存在感があった。この杉は、高さが45mもあるという巨大さも凄いが、高さ約8mのところから2つに分かれて広がっており、その姿が、夫婦の仲睦まじさと行く末の長寿や繁栄を表すとして、神社の御神木となっている。

 神社の創建時期は不明だが、明応年間(1492-1501)には既に存在して火災に遭っていることが見え、御神木の樹齢から考えると、平安時代まで遡る可能性もあるという。現在では、愛宕神社や稲荷神社といった、他から分祀されたであろう末社も祀られ、大社と呼ばれるような大きな神社の雰囲気すらある。また、境内には別に銀杏の巨木があって、枝からは水のしずくの様な形の枝らしきものが下へ垂れ下がっており、これを乳房に見立てて乳(たらちね)の木と呼び、母乳がよく出るように願掛けする木として参拝者が絶えない。

 

最終訪問日:2006/10/8

 

 

境内は巨木が林立し、まさにもののけ姫の世界。

独特の雰囲気があります。

まさに、杜と言うに相応しい場所ですね。