Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

天満大池

工事の為に水が抜かれている天満大池

 稲美町にある溜池で、湛水面積は34.6haあり、農林水産の選定するため池百選のひとつに数えられている。

 溜池の多い稲美野の中でも、天満大池は最も古い溜池とされ、近隣の天満神社の由緒によれば、白鳳3年(675)にその原型となる溜池が築造されたという。ちなみに、この天満神社の秋祭りで御輿渡御というものがあり、神輿を天満大池へ投げ込み、池の中で神輿を担ぐという珍しい神事がある。

 その後、14世紀初頭から周辺の開拓が進み、14世紀末までに天満大池の本格的な改修工事が行われたようだ。この改修工事には、真言律宗の僧たちが関わったと見られ、改修後には現在の形に近い池となったのだろう。

 時代が下った江戸時代には、天満大池は蛸草大池と呼ばれており、周辺の水争いの要因となっていたことが見える。そして、明治21年(1888)の近隣6ヶ村が合併して天満村が誕生した事をきっかけに、天満大池と呼ばれるようになったようだ。

天満大池説明板

 しかし、昭和20年(1945)の阿久根台風では、兵庫県下の河川や溜池で決壊が多く発生し、この天満大池も決壊した。この時の決壊では、南の土山本村にまで水が流れ込んだという。その後、昭和59年(1984)には東側に天満大池公園が整備され、一帯は貯水機能だけではなく、親水エリアとしての機能も持つようになった。

 現在の天満大池の形は、公園整備に次いで行われた昭和60年(1985)からの改修工事によってのもので、東西方向に車道が横断しているが、それでも総貯水量は47万6千トンを誇り、これは加古大池に次いで兵庫県では2番目の大きさである。だが、天満大池の西の土手上を走る県道が交通量の多さに比して狭い為、今度は池を縦に縦断するバイパスが造られる予定で、池の景色も大幅に変わってしまうのだろう。どのような景観になるのかまだ分からないが、長閑な池の風景が変わってしまうのは残念である。

 

最終訪問日:2020/12/23

 

 

幼い頃から、車窓の両面に池が広がる光景は特徴的で、好きな池です。

自宅からの距離も近く、ぶらりと寄って池の周囲を散歩するにはちょうど良い場所ですね。