日本有数の133mの落差があり、この最も落差を持つ滝を一の滝とし、少し上流にある二の滝、三の滝を合わせて那智大滝と呼ぶ。滝自体が、熊野那智大社の別宮である飛瀧神社の御神体となっているほか、国の名勝に指定されている。
滝全体の落差で言えば、富山の称名滝が日本一だが、途中に段のない直瀑では日本一の落差を持ち、華厳の滝や袋田の滝とともに、日本三大瀑布のひとつに数えられている名瀑だ。また、当然ながら、日本滝100選にも選ばれている。
一般に那智滝と言うと、一の滝、あるいは一の滝から三の滝までを意味するが、そもそもは、那智大社の境内地でもある那智の原始林にある、かつて修験道などの滝行の場となっていた多くの滝を指し、それらは那智四十八滝とも呼ばれていた。しかし、明治維新後の廃仏毀釈と修験道の衰退によって、その場所は不明となり、近年になって古文書から再発見されたという。
周辺は、那智滝や熊野那智大社などへの観光客で平日でも混雑しており、車で行く際には駐車場に注意が必要だ。訪れる際は、通常は県道46号線を走って行くことになるが、近付いて行く時の、細い白糸のように見える滝が非常に印象的で美しい。日本には様々な滝が存在するが、遠目から見える美しさという点では、その見えやすさもあって、日本でも屈指の滝である。
最終訪問日:1995/8/18
自分の中で、日本らしい姿の滝と言えば、この那智滝ですね。
白い糸を引いたような姿が、まるで水墨画をそのまま抜き出したようにも感じられるほど。
もう感動の一言ですね。