Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

玄宮園

 彦根城内にある彦根藩主の庭園。井伊家の下屋敷である楽々園と共に、玄宮楽々園として国指定の名勝となっている。

 金沢の兼六園や岡山の後楽園を見れば解るように、江戸時代の城にはたいてい大名庭園が作庭されているが、この玄宮園もそのひとつで、唐の玄宗皇帝の離宮をイメージして玄宮園と名付けられたという。また、中国の瀟湘八景にちなんで、近江八景を模したという縮景園でもある。

 作庭は、明確な年代は不明であるが、4代藩主直興の時の延宝5年(1677)頃といわれており、現在の楽々園の原型となる藩主下屋敷の整備と共に行われ、園内の築山にある鳳翔台と呼ばれる茶室で、客をもてなしたという。ただ、主に茶室から鑑賞する庭であったが、茶室や座敷から観るだけの座観式庭園ではなく、大名庭園によく見られるように、池を廻りながら庭園を楽しむ池泉廻遊式庭園である。また、当時は庭園北側から、堀代わりであった松原内湖を通って琵琶湖まで船で出て行くことが可能な構造となっていた。

 その後、幕末の藩主として有名な直弼の父で、名君として知られる11代藩主直中が隠居した際、隠居屋敷の整備と共に隠居翌年の文化10年(1813)に玄宮園も再整備され、これが、現在残っている庭園の構成の祖型となっている。

 現在でも、9月には「虫の音を聞く会」が催され、普段でも鳳翔台では庭園を鑑賞しながら抹茶を喫することができ、彦根城に訪れた観光客の入園が多い。また、彦根城の山や天守を借景にしている庭園は、普通の庭園には無い独特の趣があり、城がシンボルとなっている彦根の雰囲気をよく表しているように感じた。

 

最終訪問日:2001/8/26

 

 

池泉式の庭園ですが、中央の池が主人公のように非常に大きいです。

なので、庭園というよりは和風で整った親水公園というイメージでしたね。

琵琶湖が主人公のような、滋賀県らしい庭園です。