Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

琵琶湖

 周囲約235.2km、面積669.26km2、最大水深103.58mという日本最大の湖で、ラムサール条約登録湿地でもある。

 断層湖である琵琶湖は、古代より存在し続けたという、世界でも20ほどしかない古代湖のひとつで、日本では唯一の古代湖であり、400万年前に現在の三重県伊賀市付近で誕生したという。誕生以降、日本列島の地殻変動に合わせて分裂や合体を繰り返しながら北上し、約40万年前に現在の位置に収まったと考えられている。

 琵琶湖は、その地勢や環境から南北に分けられ、それぞれ北湖と南湖と呼ぶ。その境目は、琵琶湖の東西の幅が1.35kmと最も狭く、琵琶湖西岸の堅田と東岸の今浜を結ぶ琵琶湖大橋が架けられている付近で、境目の南北で大きく雰囲気が変わる。ちなみに、北湖と南湖の大きさの比は11:1で、北湖の方が10倍以上大きい。

長浜市横山城から見える琵琶湖の湖水と竹生島

 北湖は、琵琶湖の大部分を占め、一般的となっている雄大な琵琶湖のイメージは、この北湖の部分で語られることが多いようだ。また、水深も、一見して浅く感じる南湖より、かなり深い。その北湖の中でも、北端の奥琵琶湖とよばれる部分は、琵琶湖が構造湖であることを証明するように、切り立った崖が湖に落ち込んで入り組んだ地形となっており、木々の茂った山々と複雑な湖岸は、北湖の中でもさらに違う顔を見せている。

 琵琶湖の南側を指す南湖は、唯一の流出河川である瀬田川へと続いており、近江大橋より南の部分は更に対岸も近く、大きく見れば瀬田川の一部と見れなくもないほどだ。ここから瀬田川宇治川、淀川と名前を変えつつ大阪湾に湖水が達するため、琵琶湖は近畿の水瓶とも呼ばれているのである。

 一般に、琵琶湖へレジャーに行くという場合は、周辺が都市化されている南湖ではなく、北湖へ行くことがほとんどだろう。北湖は、水質の良さや自然の豊富さから、水遊びやキャンプ、バスフィッシングのメッカとなっている。また、個人的には、湖東沿いを走る湖岸道路がかなりお気に入りだ。視界の一方が湖、もう一方が延々と続く田園の風景で、これらを見ながらのんびりと走ることができる道となっている。

切り立った奥琵琶湖の風景

 この湖岸道路周辺には、観光施設や史跡が多く、立ち寄るポイントが多いのも魅力のひとつだろうか。水辺というのは人が集まりやすく、また、近世以前の有力な大量輸送手段でもあり、そのようなポイントが多いのも必然と言える。ただし、この湖岸道路は、信号が少ないため、地元の人にとっても主要な幹線道路となっているようで、朝夕に流れが悪くなってしまうのは注意が必要だ。その時間さえ避けていれば、快適に走れて心地よい。

 南湖は北湖に比べ、はるかに都市化が進んでおり、交通量の多さや護岸の行き届いた周辺の情景も含め、近代化された都市の中の湖というイメージを強く感じる部分だ。しかし、古代より大津宮が置かれ、源平の合戦でも源義仲軍と頼朝軍の主戦場となり、明智光秀坂本城関ヶ原の前哨戦があった大津城、江戸時代の膳所城と、支配層が常に重要視した地域でもあり、比叡山三井寺などの古刹も多く、歴史深いところでもある。

 前述のように、南湖の周辺が都市化されているため、湖水の富栄養化と汚濁がかつて問題となっていたが、合成洗剤をやめたり工業排水を厳しく規制するなどの対策で、かなり良くなっているという。とは言え、場所によっては水が澱むのか、鼻につく臭いがする場所もまだあり、水質改善という気の遠くなるような活動を今後も続けていかなければならないようだ。関西の人間にとって、雄大な自然を感じられる貴重な湖でもあり、京阪神の人間にとっては水瓶でもあり、滋賀県の人だけではなく、皆で守っていかければならない。

 

最終訪問日:2012/5/12

 

 

平野部に水が供給されている神戸市民の端くれとして、琵琶湖にはとても感謝しています。

遊びに行くのにも、走りに行くのにも良い場所ですしね。

だから・・・琵琶湖の水、止めんとってや~

ちなみに、琵琶湖の水を止めると、滋賀県はほとんど水没するらしいです笑