Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

赤穂市立歴史博物館

 博物館の愛称が、塩と義士の館となっているように、主に赤穂の主産業だった塩田業と、赤穂城赤穂浪士について展示している博物館で、平成元年(1987)の開館。

 白壁の土蔵風の建物となっている博物館の1階は、赤穂の先史時代の遺跡や出土物の解説から、全国の塩田業の成り立ちや伝播、塩田の仕組みや発達していく方式などが解説展示してあり、赤穂で発達した入浜塩田の詳しい解説や塩田で使われた数々の道具、塩釜の作業の様子などが展示されている。ただ、最も目立つのが中央に展示された塩廻船模型なのだが、廻船は割と一般的なものなので、塩釜の作業の様子などを中央に据えたほうが特徴が出て良いという気がしないでもない。

 2階は、赤穂城の設置から赤穂藩成立までの発展の様子や、江戸時代の赤穂浪士に関する手紙などの文書と浄瑠璃本、海が近く真水の出る井戸が掘れなかった為に発達した赤穂上水道などが展示されている。

 浅野内匠頭長矩による刃傷事件は、実際の動機は不明ながら、塩田を持つ裕福な赤穂藩からの賄賂が少ないことが吉良上野介義央によるいじめに繋がり、長矩の恨みを買ったとする説があるように、赤穂藩と塩と赤穂浪士の仇討ちは、発生当時から密接に関係すると思われていた。また、博物館に隣接する赤穂城は、5万石の赤穂藩の身代からすると大きな城だが、これも塩田業の収益があったからこそだろう。

 今でこそ、時代に合わなくなった塩田業はすっかり赤穂から消えてしまっているが、この博物館を見学すると、赤穂の成り立ちから現在の観光産業に至るまで、赤穂藩と塩の影響無くしては語れないということが理解できる。

 

最終訪問日:2012/4/29

 

 

建物が非常に特徴的ですね。

赤穂城の一角にあるんですが、城の蔵のような外観で、赤穂の城跡に溶け込んでいます。