Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

安間家史料館

 篠山藩の藩士だった安間家の屋敷を、そのまま江戸時代の武家屋敷の資料として保存し、藩士が使った種々の日用品や、篠山藩所縁の歴史資料を展示している史料館。展示物だけではなく、建物自体が重要な史料である。

 旧安間家の武家屋敷は、平成6年(1994)3月に旧篠山町の指定文化財に指定され、改修を経て翌同7年(1995)5月から一般に公開された。訪れた当時は安間家史料館というシンプルな名前だったが、現在は丹波篠山市武家屋敷安間家史料館とも呼ばれているようだ。 

 資料館周辺を御徒歩町といい、町割りは慶長14年(1609)の篠山城の築城と同時にされたが、御徒歩、つまり騎馬武者ではなく徒歩で合戦に参加する下級の藩士が住んだ界隈である。安間家も、12石3人扶持という高くない身分であった。

 御徒町一帯に最初の屋敷ができたのは、篠山城築城の頃であったが、天保元年(1830)に火災があり、この御徒歩町一帯が焼失してしまったという。現在の建物は、その後に再建された屋敷であることが判明しており、この資料館を含む周辺の武家屋敷は、幕末の天保元年以降に建てられたということになる。

 屋敷は、藁で葺かれた建物で、当時の武士の標準的な屋敷の形式であった曲屋と呼ばれるL字型をしており、外観は2棟が縦横に連結しているように見える構造だ。部屋数は多いが、全体としては質素なもので、縁側から手が届くような庭の景色を見ると、当時の下級武士が慎ましく日常生活を送っていた様子が想像できるだろう。

 この史料館の面した御徒町通りを中心として、安間家の屋敷のほかにも当時の武家屋敷が比較的残っており、篠山城下の落ち着いた雰囲気を醸し出すとともに、観光資源ともなっている。藁葺きで厚ぼったい屋根の門と屋敷は、古い屋敷が多い御徒町通りの一角でも趣が別格で、通りの良い重しとなっていた。

 

最終訪問日:2000/5/12

 

 

武家屋敷の街並みが残る篠山でも、特に古さが保存されている建物ですね。

江戸時代の平均身長が、現代人と比べて低かったせいもあるんでしょうが、間取りがコンパクトで、妙に落ち着く屋敷でした。