Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

巌門

波の静かな巌門

 能登半島の東岸、リアス式海岸を代表するような、岩が競り立った地形が続く能登金剛の中心的な名勝で、幅6m、高さ15m、奥行き60mの大きさを持つ海蝕洞門。

 能登金剛は、岩礁美を持つ朝鮮半島金剛山にちなんで付けられた名で、巌門周辺には、兄源頼朝の追手から隠れるために義経が船を隠したという伝承が残る断崖や、そそり立った鷹巣岩などがあり、奇岩の景色が広がっている。

 その中でも巌門は、歌川広重が六十余州名所図会に、鷹巣岩と不動滝と共に巌門を採用しているように、その中心的な存在と言える名勝だろう。

巌門の横にある海蝕洞

 能登金剛の周辺は、両輝石安山岩という輝石を含んだ溶岩性の岩石や、火山灰などが固まった凝灰角礫岩でできており、それら岩石が波による浸食を受け、様々な奇岩が発達した海蝕崖となった。巌門は、海にせり出す形となった岩塊を波が浸食し続け、やがて岩塊を貫通し、巨大な洞門となったものである。

 巌門周辺は、観光地として整備されており、巌門に隣接する洞窟や不動滝を巡る散策路があるほか、遊覧船も運航されており、小一時間ゆっくり散策できる場所となっていた。

 訪れた時は、平日にもかかわらず団体旅行のバスもおり、能登金剛の観光地として、相変わらず立ち寄る人が多い観光地なのだろう。澄んだ海の水と荒々しい洞門が印象的な場所である。

 

最終訪問日:2018/5/28

 

 

前回訪れた時は慌しかったため、久々に訪れてゆっくりと旅の記憶を更新することができ、良かったです。

荒々しい奇岩や洞門とは対照的に、穏やかな波と緩やかな時間が流れる場所で、その対比がとても印象的でした。