Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

恋路海岸

のと恋路号が停車する在りし日の恋路駅

 能登半島の突端東側、大きく弧を描いた海岸線の南側にある約1kmの海岸で、悲恋物語が伝わっている。

 その昔、助三郎という青年が鍋乃という女性の命を助けたことから、二人は恋仲となり、この場所で逢瀬を重ねていた。2人は暗闇の中、互いの手に持った灯りが唯一の目印だったが、鍋乃に好意を抱く別の男が明かりを崖っぷちに置いたため、その灯りを目指した助三郎が過って崖から転落して死んでしまい、それを悲しんだ鍋乃も、その後を追って身を投げてしまう。

 二人の仲を妬んでいた男は、自分の行動を悔いて二人を弔う僧侶となり、この地で男女の仲を取り持つようになった。こうして、いつしかこの場所を恋路と呼ぶようになり、海岸も恋路海岸と呼ばれるようになったという。

 現在は、海岸が綺麗に整備されており、観光客も多いのだが、やはり悲恋物語の場所だけあってか、カップルが多い。海岸の内で整備されている部分はそれほど大きくはないのだが、奇岩が顔を覗かせる海際に、2人を偲ぶ像や観音堂、沖合には赤鳥居が目立つ弁天島もあり、独特の淡い雰囲気が漂っている。

 訪れた時は、まだのと鉄道が健在の頃で、海岸近くの恋路駅行きの切符が人気となっていたが、能登線廃線に伴って駅も廃止となったため、駅の跡地を買い取った酒造会社や、のと鉄道の他の駅で買うことができるようになっているようだ。

 

最終訪問日:2001/9/16

 

 

いまや全国にたくさんある恋人の聖地ですが、その中でもかなり早い部類の聖地でしょうね。

調べてみると、恋路海岸にちなんだドラマや楽曲があってびっくりしました。