Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

正法寺古墳群

正法寺古墳群案内板

 加古川美嚢川の合流点近くの丘陵にある古墳群で、丘陵の圃場整備に先駆けて平成6年(1994)6月から翌年2月まで発掘調査が実施された。この時に発掘されたのは正法寺山の西側中腹の段丘だったが、古墳が存在するのは山頂から段丘にかけてのようで、古墳群としての範囲は、見える部分よりもかなり広範囲という。

 この発掘調査では、16基の古墳群のうち、もとから存在が確認されていた4基と新たに発見された5基の調査が実施され、横穴式石室の貴重な遺跡ということが確認されている。また、昭和45年(1970)の調査でも、須恵器や馬具といった多数の副葬品が出土しているが、今回も、須恵器や直刀、金製のイヤリングなどが出土した。

石室が綺麗に残っている1号墳を正面から

 発掘調査の結果によれば、1号墳は周囲に溝を持つ一辺16mの方墳で、築造時期は6世紀中頃から7世紀前半という。玄室は、4.1mの羨道の奥にあり、長さ4.3m、幅2.3m、高さ3.0mの大きさを持つ。恐らくは、加古川美嚢川の合流点付近に勢力を持っていた豪族一族の墓と思われるが、周囲には、前方後円墳愛宕山古墳があるほか、小和田神社に石棺材が祀られているなど、この辺りは早くから拓かれた場所で、古代にはもっと多くの古墳があったのだろう。

 現在、圃場整備により、保存状態が最も良好であった1号墳の周囲に2号墳と3号墳の石室を移設復元しており、保存しつつ露出展示している。また、周囲は公園として綺麗に整備され、芝生も敷かれており、考古学に興味の無い人でもブラっと散歩するのにちょうど良い。

 

最終訪問日:2001/4/23

 

 

古墳としては、それほど視界が開けた場所にあるわけではありませんが、かつてのこの地の王は、勢力の源泉たる川筋を眼下に収める場所を、自らの墓の場所として選んだんでしょうか。

立地を考えると、そんな想像も膨らみます。

また、露出展示になっているのも、貴重ですね。