Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

乙女道路

 乙女道路は、かつて静岡県御殿場市と神奈川県箱根町の間の、箱根の外輪山にある乙女峠に通されていた有料道路で、現在は国道138号線の一部となっている。昭和39年(1964)10月28日の開通で、全長は5.6km。

 乙女峠には、古くから街道が通っていたが、箱根が今ほど人を集める観光地でなかったことや、大きな街道である足柄路が近いこともあり、それほど重用されていなかったと思われる。

 この乙女という変わった地名の由来にはいくつかの説があり、仙石原のトメという女性が父の病の平癒を祈って御殿場に願掛けへ毎日行っていたが、その成就と共にこの峠で亡くなったことからおトメ峠と付けられたとも、江戸時代に箱根一帯の関所で足止めをされる人が多かった事から、御留め峠と付けられたともいう。

 乙女道路の建設が開始された昭和37年(1962)は、西武グループ小田急グループが激しく争った箱根山戦争と呼ばれる観光競争の終盤で、両グループや東急グループによる競争的な観光宣伝によって、多くの観光客が詰め掛けていた時期であり、そのような需要からこの道路は建設された。当時の国道138号線は西側の長尾峠経由のルートを採っており、開通によってこの乙女道路が御殿場と箱根の間の最速路となったのである。

 その後、昭和59年(1984)12月20日に料金徴収を前倒しして終了し、無料開放された。以後、現在のように国道138号線の一区間となるのだが、御殿場側の眺望が良く、富士山の絶景スポットとしても有名となっている。

 道自体は、かつての有料道路で、現在でも交通量の多い国道であるため、非常に整備されており、タイトなコーナーは多いものの、道路幅も広くかなり走りやすい。難点があるとすれば、観光における主要な国道ということに由来する交通量が多さぐらいだろうか。時間的に余裕があれば、ふじみ茶屋の駐車場で休憩して景色を楽しむというのも良さそうだ。

 

最終訪問日:2013/10/13

 

 

訪れた時は、静岡県の御殿場側から入り、乙女トンネルを抜けて神奈川県側から長尾峠へ向かったため、富士山や御殿場の景色を見下ろしながら下るということはできず、そこは少し心残りですね。

ただ、休日の午前というのもあって、御殿場方向への車線は、富士山や富士五湖へ向かうと思われる車で延々と渋滞していたので、選択としては正解でした。