Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

吉田郷土館

 吉田郷土館は、昭和40年(1965)から実施された土地区画整理事業によって、周辺の区画整理と共に建てられた資料館である。開館は昭和48年(1973)12月15日。

 中世の明石郡一帯に勢力を持っていた、明石氏の本拠枝吉城跡がある城山一帯は、播磨でも早くに農耕が開始された地域である。この吉田地域を含む明石川流域には、郡衛ともいわれる地方官衛遺跡もあり、その周辺からは、弥生時代から鎌倉時代にかけての遺物が大量に発掘された。

 吉田郷土館は、それら吉田、新方、片山、養田の各遺跡から出土した弥生時代の土器、石器のほか、漁具や土師器、須恵器、瓦などを収蔵し、常設展示している。また、野外には、庚申塚古墳から持ち出されたと見られる石棺が展示され、後背の枝吉城と共に遊歩道も整備されており、散策をしながらのんびりと見学することができるだろう。

 ちなみに、郷土館が建っている枝吉城を本拠としていた明石氏は、一般には村上源氏の赤松氏の庶流とされているが、一説に古代の明石国造の末裔という説がある。これに従えば、古代の記紀の時代から戦国時代末期まで、同じ一族が明石川流域を支配していたという壮大な話となるのだが、実際はどうだったのだろうか。

 訪れた時は、隣接する神本神社の秋祭りの日で、地域のコミュニティとして郷土館が役立っていることがよく解った。ただ、展示内容があまり更新されていない感じだったので、もう少し地域の歴史について深く掘り下げてもらえると、見学する側としてはありがたい。

 

最終訪問日:2002/10/13

 

 

郷土館自体は大きくなく、いかにも地域の郷土館という感じですね。

幹線道路が真横を通っていますが、郷土館の辺りは一転して緑のある閑静な一角となっていました。

地域のコミュニティの一角として、長く維持して欲しいですね。