Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

湯郷温泉

源泉の場所にある共同湯の鷺温泉館

 温泉町らしく、多数の温泉旅館と歓楽街を持つ温泉で、美作三湯のうちのひとつに数えられている。

 伝承では、慈覚大師の名で知られる円仁上人が西国巡礼の途上、鷺が足の傷を癒しているのを見て発見したという。単純に逆算すると、開湯は平安時代に入ってすぐの9世紀頃ということになり、約1200年の歴史を持っていることになる。開湯伝説はともかくとして、かなり古くから杣人や山仕事に従事する人に親しまれた温泉なのだろう。

 温泉は、無色透明の湯で、泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉である。源泉は3つあり、湧出温度は38℃と、入浴する湯としてはやや低めであるが、毎分470Lという豊富な湧出量を誇り、鷺温泉館の下から各旅館に配湯しているという。

 前述のように、湧出温度は入浴する湯としてはやや低めなのだが、窒素ガスを含む揮発性のガスを多量に含んでおり、これが微細な泡となって湯に含まれることで単純な湯よりも熱伝導率を下げ、冷感を覚えにくい特徴がある。この効果によって、体に負担の少ない低めの温度で長時間の入浴ができ、それによってガスが体内に取り込まれるため、湯治に向く温泉と言えるだろう。

 温泉街の真ん中、源泉のある場所に鷺温泉館というスーパー銭湯型の温浴施設があり、サウナや打たせ湯、露天風呂など、スーパー銭湯としての設備も充実していた。また、旅館やホテル中にも、日帰り入浴できるところがあり、これらを外湯として回ってみるのも面白いかもしれない。

 兵庫県岡山県の県境に近く、関西の西部から、兵庫県内の温泉以外でちょっと遠くの温泉に行こうとなると、湯郷温泉に行くことが多くなるようだ。実際、自分の周囲でも行ったことがあるという人が多い。距離的にも、日帰りが可能で、しかもちゃんと温泉街の雰囲気も味わえ、ちょうど良いのだろう。

 

最終訪問日:2023/8/6

 

 

ぶらりと湯郷を訪れると、鷺温泉館がランドマーク的にも分かりやすいので、利用しやすいですね。

何度か訪れましたが、いつもゆっくりと寛げます。