Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

日泰寺

 正式名称は覚王山日泰寺で、日本で唯一の無宗派の寺院。無宗派であるため、固定の住職がおらず、各仏教宗派の管長が3年交代の輪番制で住職を務めている。

 明治33年(1900)に、当時まだシャムと呼ばれていたタイから、釈迦の遺骨である仏舎利が日本へと贈られた。この仏舎利は、6年前に英国領インドで発掘されたもので、仏教国であるシャムに寄贈され、シャムから各国の僧侶や仏教徒へ贈られたものである。

 日本へは、宗派を超えた全仏教徒に対しての贈り物とされたため、各仏教宗派が超宗派でこれを奉安するための寺院の創建に協力し、同37年(1904)11月15日に日泰寺が建立された。

日泰寺本堂

 山号である覚王山の覚王とは、すなわち釈迦のことで、日泰寺の字は、そのまま日本とタイを示す。建立当初は、前述のようにタイの国号がシャムであったため、暹羅から1字を取って日暹寺と呼ばれていたが、国号がしばしの混乱を経てタイに固定されると、昭和24年(1949)に寺名も日泰寺に改称された。

 本尊は、仏舎利と共にタイ王室から贈られた釈尊金銅仏で、この仏像はタイ王室の重要な美術品であったという。

 これらの経緯から、日泰寺は日タイ間の友好の証であり、また、タイ王室との繋がりの濃さから、タイ王族が参詣したこともある。本堂前には、タイのチュラーロンコーン大王像も建立されているが、10月23日のチュラーロンコーン大王記念日には、在日タイ大使が献花しているほか、在日のタイの方もよく訪れているらしい。

日泰寺山門

 地下鉄覚王山の駅から北側の地上に出ると、そこはもう日泰寺への参道となっており、通りの両側には、ちょっと変わった個性的な店がちらほらと並んでいた。この参道は、個性的な店が多いことから観光名所にもなっているようだ。

 参道突き当たりに大きな日泰寺の山門があり、その背後に五重塔も見えるが、境内に入ってみれば割と小ざっぱりとした感じで、訪れた日が快晴だったこともあってか、やたらと広い空間を感じた。寺の本堂には参拝客も入ることがでるが、内部に他の寺院との違いはあまり感じられず、この辺りはあくまで日本式で、タイの大乗仏教からの影響というのは無いらしい。

 

最終訪問日:2010/12/27

 

 

日泰寺で面白かったのは、手で回すレバーのところに100円を入れてガチャンとするあのガチャポン式のおみくじがあったこと。

確かに人が出すのと変わらないし、合理的ですね。

カプセルの中には、各菩薩の小さなプレートも入っていて、なかなか芸が細かく、思わずコレクター心をくすぐられてしまった。