Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

井の端古墳群

井の端古墳群の7号墳の頂上面

 公共宿泊施設である上郡ピュアランド山の里に隣接する古墳群。丘陵一帯には13基の古墳があり、その内の5基について調査されている。

 この古墳群は、平成5年(1993)に上郡ピュアランド山の里の建設に伴って発掘調査が行われ、当初は弥生時代の墳丘墓と見られていたが、7号墳と8号墳は4世紀頃の古墳時代前期の築造と判明した。安室川沿いの平野部に勢力を持っていた豪族が葬られていると推定され、支配地を見下ろす丘陵上に墳墓が築かれたのだろう。

 最も大きい7号墳は、長方形墓で、墳丘頂上面に竪穴式石槨、箱式石棺、木棺墓という異なった3ヶ所の埋葬施設がある。中心にあるのは竪穴式石槨で、ここに葬られていた人物が、7号墳の中心となる人物なのだろう。この複数の埋葬施設が存在する古墳は、前方後円墳には見られるが、それ以外の形式の墳墓にはあまり見られず、珍しいものという。詳しい築造時期は古墳時代前期の後半で、大きさは長辺15.7m、短辺9.7mで南北に長く、高さは1.7m以上という規模を持つ。

復元されている7号墳の列石

 8号墓は円墳で、7号墳よりも遅く築造されたと見られ、その時期は古墳時代前期末とみられ、直径9.6m、高さ0.8mの規模がある。埋葬施設は、7号墳の3ヶ所とはまた違って、土壙墓であった。

 そのほか、同一丘陵上ながら少し離れて12号墳があり、こちらは長径10.5m、短径8mの楕円形の墳丘がある。この古墳の頂上面には、木棺直葬と考えられる埋葬施設があったようだ。

 現在の古墳群一帯は、古墳公園として整備されており、前述の7号墳、8号墳、12号墳に盛り土をして保護しつつ露出展示され、7号墳の石槨も復元されて見やすくなっている。遊歩道も整備されており、遺跡に対する知識が無くても、ぶらりと散歩するにはちょうど良い公園だった。

 

最終訪問日:2017/11/19

 

 

上郡ピュアランド山の里に宿泊したんですが、到着時は夜だったので全く気付かず、朝に気付いて散策しました。

すごく綺麗に整備されている遺跡ですね。

秋の朝の陽光もあって、とても清々しい雰囲気でした。