Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

おはらい町

 伊勢神宮の内宮の入口である宇治橋に繋がる鳥居前町。観光地として有名なおかげ横丁も、この鳥居前町の一角にある。

 伊勢神宮は、そもそもは天皇家の宗廟であり、個人が崇拝する対象ではないのだが、中世以降は神領が豪族に押領されるなどで経済的な困難が続き、御師という末端の神職が全国各地に神宮のありがたみを説いて回った。

 その活動もあって、室町時代には次第に支配者層へと尊崇が広がり、泰平の世となった江戸時代には、それが庶民にまで広がることとなる。

 こうして、蟻のお伊勢参りと呼ばれるほど庶民の間で隆盛となり、時にお蔭参りと呼ばれる爆発的な集団参拝も発生するほどで、内宮の宇治橋の手前には全国各地から参拝客が殺到した。

 参拝客が多くなれば、その人達を相手とする商家も増えるのが当然で、五十鈴川沿いに延びていた伊勢参宮街道沿いに大きな鳥居前町を形成するようになる。また、諸国を歩いた御師もこの鳥居前町に館を構え、担当の地域からの参拝客をもてなし、案内や祈祷も行ったという。それが元ととなり、いつしか鳥居前町は、おはらい町と呼ばれるようになった。

 江戸時代のような、現在のおはらい町の景観は、老舗和菓子屋である赤福の10代目当主であった濱田益嗣を中心とした町の人々の努力によるものである。現代家屋が多くなっていた町を、昭和54年(1979)から伝統の商家らしい妻入の木造建築への回帰を図り、やがて伝統的な景観を取り戻した。また、平成5年(1993)には街道西側におかげ横丁も誕生し、共に伊勢神宮前の観光名所となっている。

 内宮への入口となる宇治橋の北側の800mほどの石畳の区間がおはらい町で、道沿いには赤福本店を始めとした土産物屋が並び、訪れた時も多くの人で賑わっていた。伊勢神宮に参拝した観光客が、その帰りに立ち寄るのが定番となっているようだ。広大な伊勢神宮の参拝で割と距離を歩くため、その甘味補給ができていいのかもしれない。

 

最終訪問日:2000/3/29

 

 

昭和生まれの関西人にとって、お伊勢さん土産と言えば赤福なんですが、赤福本店はちょっと別格ですね。

赤福ぜんざいが美味しかったです。

甘いものがダメな友人は、その横でイカ焼きを食べてましたけど笑