Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

鶯塚古墳

鶯山古墳の後円部から前方部の眺め

 名勝である若草山の山頂に造られた前方後円墳で、全長は103m、前方部の幅約50m、後円部の径約61mの規模を持つ。また、周囲には3基の陪塚と考えられる古墳がある。

 枕草子において、うぐいすの陵として書かれているのがこの鶯塚古墳とされ、標高300m以上の山頂部にある古墳としては、国内最大級という。

 被葬者としては、江戸時代頃は仁徳天皇の皇后磐之媛命の陵墓と考えられていたようだが、宮内庁は平城坂上陵を磐之媛命の陵墓と比定しており、現在は埋葬者や埋葬施設が不明とされている。また、山の形を利用したという構造や、葺石があったことから、以前は4世紀後半頃の古墳時代前期の古墳と考えられていたが、滑石の石製斧といった出土物から、5世紀初めまで時代が下る可能性を指摘されているという。

鶯塚古墳説明板

 奈良の観光において、一般の人が鶯塚古墳を意識することはほとんど無いかと思われるが、名勝である若草山の山頂まで登ればそこが古墳であり、若草山の三角点が古墳の後円部に設置されている。

 若草山には木が無い為、古墳の形がかなり判り易く、また、後援部からの眺望も非常に良い。訪れた日がよく晴れた春の日であったので、蕨採りに来ていた人が5人ほどおり、闊歩する鹿を含めて長閑な情景となっていた。

 ちなみに、若草山山頂へは、麓からなら徒歩で30分から40分、奈良奥山ドライブウェイを使うなら、駐車場から徒歩5分程度で到着することができる。

 

最終訪問日:2013/4/23

 

 

古都奈良のほぼ中心部にある古墳ながら、被葬者がよく判っていないというのは、なんだか意外な感じがしますね。

奈良盆地の北端を支配していたのは、どんな人だったんでしょうか。