長野県と群馬県の県境にある峠。峠と名前は付けられているが、実質的な片勾配の道で、群馬県側からひたすら上る道である。峠の最高点は標高956m。
碓氷峠周辺の地形が成立したのは、20万年前から30万年前という。当時の一帯は、火山活動に伴う噴出物が堆積した場所であり、比較的平坦な地形であったようだが、その下はかつての海底にあった砂岩や泥岩といった堆積岩層であり、浸食されやすい地層であった。そのため、東側で河川による浸食が始まると、火山岩層と堆積岩層の浸食速度の違いから、東側が大きく浸食されたことで、険しい片勾配の地形になったという。
碓氷峠は、信濃川水系と利根川水系を分かつ分水嶺にあり、気象的にも文化的にも、関東地方と中部地方を分かつ難所であった。
街道は古くから整備されたが、古代の東山道には、碓氷峠説と入山峠説があるという。ただ、少なくとも奈良時代以降は碓氷峠経由となり、碓氷坂や宇須比坂などと書かれ、その時代の中山道は、谷筋に近い現在の旧国道18号線よりも大きく北に迂回するルートであった。
なぜ大きく迂回するルートが採られたかと言うと、街道を整備する際、平坦な地形が多く加工が少ない尾根伝いが使われたためという。
通常の峠道は、上り坂と下り坂があるため、坂の勾配を抑えるために谷筋が使われる事が多く、山々の鞍部を選んで越える形となるが、碓氷峠は片勾配であるため、勾配を抑える意味が無く、整備工事の容易なルートが選ばれたようだ。
その後、時代と共に尾根伝いの中山道から、中尾川に近い国道18号線や信越本線、そして入山峠越えの国道18号線碓氷バイパスと、ルートの中心は移り変わって来たが、時代を経ても、水平距離が約10kmの間に500m以上を上るという難所であることには変わりがなく、実際に走ってみると、その厳しさを実感として味わう事ができる。
最終訪問日:2019/5/12
日曜の午前中に軽井沢から下るという、できるだけ通行量を避けるという作戦が成功しました。
国道18号線を下って行ったんですが、1台も先行車に出会わず、快調に走る事ができましたね。
いつか逆方向の上りでも走りたい道です。
あと、後日にドラマで見たんですが、途中にあるめがね橋は上を渡れるんですね。
知ってたら止まったのに!