Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

湖山池

 湖山池は、広大な水田が僅か一夜にして水底に沈んだという湖山長者の伝説を持つ汽水の池で、鳥取県下では第2位の大きさを誇り、周囲18km、面積6.99km2の規模を持つ。

 鳥取砂丘の南にある多鯰ヶ池と同じように、千代川が押し流す土砂の堆積と日本海の荒波と強風による砂丘の発達によって、海から分離した海跡湖であり、その成り立ちからか、最大水深6.3m、平均水深2.8mと、全体的に浅い池である。

 ちなみに、正式名称が池であるものの中では、八郎潟の残存部分である八郎潟調整池に次いで日本第2位であるが、八郎潟調整池は、干拓の結果によって池という名称になっているだけで、元は湖だったというのを考えると、天然の池という意味では、日本一と言えるだろうか。

西岸からの湖山池を望む

 池には大小7つの島があるが、その内、最大の青島には橋が架けられて公園として整備されており、夏には行楽客で賑わうという。そのほか、ウナギやコイを獲るため、全国でも珍しい石がま漁という、石を積み上げて魚を追い込む一種の追い込み漁が池で行われている。

 通常は、池は人工的なものや窪地に水がたまったものを指すのが一般的で、沼や湖と比べて小型なのだが、湖と池との境界線には厳密な決め事があるわけではない。そのため、実際はかなり曖昧で、その土地土地の価値観や生活様式にも左右されるようだ。

東岸からの湖山池を望む

 湖山池の場合は、湖と呼ばれてもおかしくないほどの大きな規模を持っているが、周辺の人の主観では、湖ではなく池だったのだろう。ただ、もともとは小山池と書いたらしく、小を湖としたところに微妙な揺れや、迷いのようなものが感じられるだろうか。あるいは、日本の中世における漢字の当て方は割といい加減だったことから、池周辺の住人の感覚を持ち合わせていない外部の人間から、湖に間違いなかろうと、勝手に湖の字をあてられたのかもしれない。

 岸沿いを走ってみると、琵琶湖の南湖部分を連想させるような水面の近さで、まさに湖岸という雰囲気があり、水面越しに見る鳥取の市街地は、なんだが遠い世界の街のような趣さえある。山陰の池ではあるが、不思議と明るい陽光がよく似合う池だった。

 

最終訪問日:2013/5/12

 

 

自分はバイクで湖岸を走ったんですが、1周の距離的には自転車で走るのが一番気持ち良さそうです。

何なら、丸1日歩ていて1周してみてもいいかもしれませんね。

お店が無い区間が多いので、補給ポイントの調査は必要ですが、楽しそうです。