富士箱根伊豆国立公園にある堰止湖で、富士五湖のひとつ。ショウジコと読む。
国土地理院と山梨県のデータによれば、周囲6.8km、面積0.51km2、水深15.2mで、富士五湖の中では最も小さい湖である。また、水面標高は本栖湖や西湖と同じ900mだが、これは3つの湖の成り立ちに関係しており、地下水系で繋がっているためという。
富士五湖の成り立ちは、古富士火山の爆発的噴火による陥没から始まる。
この陥没地に水が流れ込み、古明見湖、古剗海(セノウミ)という湖を形成し、やがて火山活動によって古剗海からさらに古河口湖が分断された。また、以前にあったとされていた宇津湖の存在は否定されており、1万5千年前頃には3つの湖があったようだ。
その後、新富士火山の活動期に入ると、膨大な噴出物によって、古明見湖、古河口湖が埋まり、古剗海もかなり小さくなったという。
そして、約4千5百年前の噴火で古剗海が分断されて本栖湖と剗海となり、さらに貞観6年(864)の大噴火による溶岩流によって剗海の大半が埋まったが、その時に残った西北端の部分が精進湖である。この辺りの経緯は、精進湖の南岸がまさに溶岩に侵入された地形となっており、地図上でもよく理解できるだろう。
精進湖は富士五湖の中で最も小さいが、北側湖岸からの富士の眺めは、青木ヶ原の樹海を手前に敷いた構図となり、最も自然が美しい姿といわれる。ちなみに、精進湖の名の由来は、富士山に参詣する人々が、この湖で精進潔斎したことによるという。
実際に湖岸を走ってみると、溶岩流がそのまま固まって形成された岩が湖に乗りかかっているようで、溶岩流の荒々しさをそのまま現在まで保存した露天展示のような雰囲気さえある。湖岸の長さが短いので、バイクや車だとあっという間に走り抜けてしまえるのだが、木陰の中を抜けた後に現れる岩塊は、なかなか迫力があって良かった。
最終訪問日:2012/10/13
富士五湖の中では、一番荒々しい姿が見える湖ですね。
優美な姿をしている富士山ですが、精進湖から見ると、活動を続ける火山というのが実感できます。