Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

安土城天主 信長の館

 織田信長が築城した幻の安土城の東南に位置する、公共文化施設が集まって近江風土記の丘や文芸の郷と名付けられた一帯に建っているテーマ館で、名前の通り安土城天主がそのテーマである。開館は平成6年(1994)。

 平成4年(1992)にスペインで開催されたセビリア万博において、日本館のメインの展示物は、安土城の5・6階部分の原寸大復元建築であった。万博終了後、その復元建築を当時の安土町が譲り受け、新たに復元された部分を加えて移築展示しているテーマ館が、この安土城天主信長の館である。

 安土城の史実としては、天正4年(1576)から信長の重臣丹羽長秀を総奉行として築城を開始し、3年の月日をかけて同7年(1579)に完成した城で、独創的かつ豪華絢爛であったという。しかし、同10年(1582)に本能寺の変で信長が横死すると、その僅か2週間後、主と運命を共にするように焼失し、残念ながら正確な姿は現在に伝えられていない。このため、幻の安土城といった呼ばれ方をされることもある城なのである。

 従って、当時の城や天守の姿は、同時代の文献や宣教師の手紙などで想像するしかなく、この信長の館の復元建築も、あくまで想像の域を出ないのであるが、五層七階の最上層は金色、その下は朱色の八角形、そして内部は華麗な障壁画で飾られていたというのは諸説一致するところであり、この復元建築に近いか、ほぼ同じ感じだったのだろう。

 館の中に入ってみると、復元された建物は想像を越える鮮やかさと豪華さで、中央をほぼ制した当時の信長の勢いがどのようなものであったのかを知ることができる。また、この信長の館の周辺や安土駅前には、考古博物館などの歴史資料館のほか、発掘の進む安土城や、安土城以前の支配拠点であった観音寺城などもあって、戦国時代の気分に一日浸ることができ、なかなか良かった。

 

最終訪問日:1996/10/13

 

 

当時の天守は残っていない以上、想像でしかないんですが、それでも当時の信長の強さや勢いというものを感じますね。

考古博物館のすぐ近くなので、そのビジュアル的な補完資料としても最適です。