Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

比叡山ドライブウェイ

 大津市街の西北、かつて織田信長が京へ入る際に使用したという山中越えに通じる宇佐山付近から、比叡山山頂までの南北を結ぶ全長8.1kmの観光道路。

 比叡山平安時代最澄延暦寺を開山して以降、京の鬼門にあたることから、王城の守護として発展し、大正時代頃からは、観光や行楽の山としても注目されていた。

 このような時代の流れを背景として、比叡山に観光道路を造るという構想は戦前からあったが、実際に構想が実現へと動き出したのは、昭和20年代の後半だったという。その後、各方面の調整を終え、昭和32年(1957)に道路の建設が開始され、当初は砂利敷ながら翌同33年(1958)4月19日にこの比叡山ドライブウェイが開通し、秋には舗装化もされた。

 西の京都側と東の坂本側からロープウェイが出ていることからわかるように、京都と滋賀の県境にまたがる比叡山は、東西に非常に峻険な山容を持っている。このため、少しでも自動車道の勾配を減らすようルートが採られ、南から尾根筋を縫うように道が延びているが、それでも勾配は急で、しかもタイトなコーナーが多い。全線に渡ってその傾向ではあるが、どちらかといえば、完全に尾根筋に入ってしまう山頂付近のほうが緩やかになっている。

 このドライブウェイは、観光用の山岳道路だけに、展望台や沿線から所々で素晴らしい眺望が得られ、東西に険しい山容がこの部分ではメリットになっているのだろう。また、終点となる延暦寺東塔エリアで奥比叡ドライブウェイと接続しており、比叡山の南北縦走も可能だ。これ以外にも、道路は途中で分岐して大比叡山頂付近にまで延び、そこでロープウェイと連絡しており、ガーデンミュージアムという庭園美術館も建てられている。

 このように、比叡山ドライブウェイは、比叡山観光の各地点を結ぶ重要な役割を担っていると言えるだろう。ただ、道路の開通によって車で行ける場所となったことから、観光や行楽地化に拍車がかかり、現在では、比叡山が宗教の聖地であるというイメージは小さくなっているようだ。

 

最終訪問日:2001/8/29

 

 

深い自然の中を、グングンと上っていくのは気持ち良いですね。

時折覗く眺望も爽快!

比叡山ドライブウェイから奥比叡ドライブウェイまで走ると、そこそこいい料金になるんですが、それだけの価値はある道です。