Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

剱崎

剱崎の海蝕崖上にある剱埼灯台

 三浦半島の南東部突端の岬。剱崎と南南東の対岸にある洲崎を結んだ線が浦賀水道の南の口であり、広義の東京湾の入口ともなる。

 一般的にはツルギザキと呼ばれるが、ケンザキと読まれることもあり、また、現地の灯台の案内板では、ツルギサキと濁らない表記になっていた。表記に混乱が見られるが、昔からの正式な呼び名は、ツルギザキが正解のようだ。

 剱崎の名の由来は、江戸時代の万治年間(1658-61)頃、幕府の材木を積んだ船が岬の沖に沈んだ際、三崎の海南神社の神主がこの岬から剣を海へ投じて竜神に祈ったところ、波風が鎮まって材木が浮いてきたことから、剱を冠した岬として呼ばれるようになったという。

 この岬に建つ剱埼灯台は、岩礁と台状の岩場が張り出す岬の突端からやや北にあり、北緯35度15分29秒、東経139度40分38秒に位置する。

剱埼灯台解説板

 剱崎灯台が最初に建てられたのは、明治維新後の明治4年(1871)で、幕末に幕府が欧米4ヶ国と結んだ改税条約において建設が約束された8基の灯台のひとつであり、最初期に建てられた洋式灯台のひとつであった。

 この初代の灯台は、大正12年(1923)の関東大震災で倒壊してしまっており、現在は再興された2代目の灯台で、白亜の八角形という姿が景色に映え、なかなかに美しい。

 剱崎は、東京湾の入口に当たり、浦賀近辺と共に湾口部西側を構成しているため、東京湾へ出入りする船が絶えず見える岬である。訪れた時にはもう夕方で、青い空という時間ではなかったが、青い空と青い海、白い灯台と白い波濤、そして沖合いを行き交う船という構図の写真は、見たことのある人も多いのではないだろうか。

 このほか、岬の突端の岩場へは遊歩道があり、大小の隆起した岩があって夫婦ヶ丘と呼ばれている。また、岬の近辺は磯釣りのポイントとしても知られ、訪れる釣り人も多いようだ。

剱崎岩礁の入江

 

最終訪問日:2013/5/17

 

 

止めるスペースを探しながらギリギリの突き当たりまで行ってしまったので、Uターンに苦労しました。

灯台周辺は、基本的に狭い農道しかないので、車で行く方は注意が必要です。

訪れるのが予定より遅くなり、すっかり夕景の時間になっていましたが、その赤み掛かった色合いが印象的でしたね。