Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

小田原城歴史見聞館

 主に戦国大名の北条氏5代と江戸時代の小田原城下町をテーマにした歴史資料館だったが、NINJA館の愛称でリニューアルされ、現在は北条氏配下の忍者集団であった風魔党が展示の中心となっている。昭和4年(1929)建設の小学校の講堂を利用して平成10年(1998)4月1日に開館し、平成31年(2019)4月20日にリニューアルオープンした。

 リニューアル前の歴史見聞館は、近世小田原城の二ノ丸の南側にあり、御殿と土蔵が混ざったような外観で、中に入ってみると、小田原と小田原城に関する年表が出迎え、続いて北条5代のそれぞれの当主に関しての説明があった。比率で言えば、この北条氏の時代に関する展示量が多く、見聞館のメインテーマだったのだろう。

 この北条5代に関して、特に初代早雲については、講談の類で語られる事も多く、史実かどうかという切り分けが必要になってくるが、この見聞館では、講談をベースに史実を注釈するというような説明となっていた。

 展示物の修正箇所を見ると、有力な説が出る度に修正されているようで、北条氏に関しては、まだまだ研究や史料の発掘が途上にあることの表れなのかもしれない。

 見聞館の中央にあるのは、人形を用いたシアター風の再現劇で、これが当時のこの施設の目玉だったのだろう。ここでは、北条氏滅亡の戦いである秀吉による小田原征伐の際、軍議でなかなか結論が出なかった事などが再現されていた。

 このような結論が出ずに時間を浪費する会議の様子が慣用句となり、やがて小田原評定と呼ばれるようになったのだが、もともと小田原評定というのは、北条一族と重臣らによる定期会合の事であり、本来の意味からは曲解された慣用句でもある。

 見聞館の順路後半は、江戸時代の小田原城の模型や、城下町の町並みを模した展示があり、近世から近代にかけての小田原の様子などが展示されていた。このゾーンでは、触れて遊べる箇所も多く、子供なども楽しめそうだったが、このような体験型の展示方法は、NINJA館へと受け継がれているようだ。

 

最終訪問日:2013/12/26

 

 

視覚的や触覚的に解りやすくした展示が多く、幅広い人達が理解しやすい展示内容だった印象が残っています。

視覚的に工夫すると、内容的にやや薄くなりがちなんですが、この見聞館は詳細な年表なんかもあって、内容的にも十分に厚みのある歴史資料館でした。

風魔党にも興味があるので、いつかまた訪れてみたいですね。