Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

高遠町郷土館

 昭和42年(1967)5月に完成した郷土館。高遠町に関係する歴史資料や文化資料、民俗資料の展示があり、高遠藩の藩主であった内藤家や鉾持神社、新城神社、藤原神社から委託された資料も保管していた。

 訪れた際、この郷土館で貰ったパンフレットに歴史博物館が建設中とあり、その歴史博物館に引き継ぐ形で、発展的に閉館となったようだ。従って、展示されていた郷土館内の主な展示物は、訪れたその年である平成8年(1996)開館の高遠町立歴史博物館に引き継がれたのだろう。また、一部の民俗系資料は、高遠なつかし館などの伊那市民俗資料館に引き継がれていると思われる。ちなみに、歴史博物館は、町村合併による伊那市の成立のため、伊那市高遠町歴史博物館という名称になっているようだ。

 規模は小さい資料館だったが、江戸時代の甲冑や兜を始めとした藩政時代の歴史資料の展示があり、譜代の内藤氏の城下町であった高遠らしさがあった。そのほかにも、江戸時代に窯が開かれた高遠焼の焼き物の展示や、明治維新以降に出た人物による書などの掛け軸も並んでおり、いかにも地元の郷土館といった趣が強い資料館だった印象がある。

 郷土館のそばには、ここ高遠へ江戸時代に遠流となった大奥の御年寄絵島(江島)の囲屋敷が復元され、さらに背後には深い緑の中に高遠湖が広がっていた。高遠城は桜の名所であるが、城跡だけではなく、少し足を延ばしてこの辺りまで散策するのもお勧めである。

 

最終訪問日:1996/8/25

 

 

高遠の全体の雰囲気を感じる資料館でした。

絵島については、現地で初めて知ったのですが、門限破りで27年間の幽閉生活というのは、かなり辛かったでしょうね。

没する前の20年ほどは、比較的自由だったようですが、それでも幽閉の身分ですから、できることは限られますし。

忍び返しの塀などをみると、なんとも切ない気持ちになりました。