Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

白兎神社

白兎神社の鳥居と参道

 その名の通り、因幡の白ウサギを祀る神社。主祭神は白兎神で、保食神が合祀されている。現地の表記では、兎の字が異字体なのか少し違っており、上の部分が兎でも兔でもなく、日の横向きの上にノの字だけが直接付いた字だった。

 よく知られている因幡の白ウサギの話は、出雲の大国主命に関わる説話の一部である。

 淤岐嶋にいた白ウサギが稲羽へ渡るため、どちらの同族が多いか数えようとワニに話を持ち掛けてその背を渡ったが、騙された事を知ったワニは怒って白ウサギの毛を剥いでしまった。白ウサギは通りかかった大国主の兄弟神達に、塩水で洗って日光と風に当たればいいと教えられ、その通りにしたが酷くなるばかりだったため、通り掛かった大国主に事情を説明すると、真水で洗って蒲の穂にくるまれば治るだろうと教えてもらい、言われたとおりにすると治ったという。

白兎神社拝殿

 因幡の白ウサギの話はここで終わるのだが、大国主の説話には、この後も白ウサギが登場し、白ウサギは、大国主の兄弟神達が求婚する八上比売が兄弟神達を選ぶことはないと言い、その通りに八上比売大国主を選んだという結末が付く。このことから、白ウサギは白兎神として祀られたという。

 白兎神は、その説話から、特に皮膚病に霊験のある医療の神であり、また、大国主八上比売の恋愛成就を予言したことから、恋愛の神としても信仰されている。

 神社創建の年代は不明だが、創建に天皇家が関わっているという説もあり、説話に登場することからも、年代を相当遡ることは間違いないようだ。

 単なる素人の発想だが、兎を祖神とする部族がワニを祖神とする部族に敗れたものの、大国主こと出雲族因幡進出に協力して因幡南東部の八上地方の勢力との仲介役を果たし、やがてその祖神が白兎神として残った、という古代の政治模様を想像してみるのも面白いかもしれない。

白兎神社由緒

 白兎海岸から国道9号線を挟んだ10m程度の丘の上に神社はあり、この丘は身干山と呼ばれ、まさに白ウサギが身を乾かしていたとされる場所である。この丘を登っていく参道には説話に関する像などがあり、やがて白ウサギが体を洗ったという御身洗池が右手に見え、境内全体に説話の色が濃く漂う。

 御身洗池の方向に向いて西面して建つ拝殿は小振りだが、大国主八上比売の仲を予言したことから、白兎神が縁結びの神様として知られており、休日は参拝者が結構いるようだ。境内は自然林に囲まれており、国道や海岸が近くにあると感じさせず、神社らしく杜という静かな雰囲気があってなかなか良かった。

 

最終訪問日:2013/5/11

 

 

何度か前を通ったことがあったんですが、人の気配が無く、静かな神社というイメージでした。

訪れた時は、目の前に道の駅ができたのもあってか、参拝客が結構訪れる神社になっていましたね。

縁結びの神社として知られるようになったのも大きいんでしょうか、女性の姿も割と多かったです。

なんかイメージとの違いにちょっと驚きました。