白地城跡に建てられた、かんぽの宿阿波池田保養センター内にある温泉だったが、平成18年(2006)3月をもってかんぽの宿は閉鎖となり、建物そのままで、同年12月から大歩危祖谷阿波温泉あわの抄という宿泊施設としてオープンした。ただし、大歩危祖谷阿波温泉というのは、あくまで施設の名前で、さまちの湯が温泉名である。
さまちの湯の名の由来は、明治22年(1889)の町村制施行時に、かつての周辺一帯が佐野村、馬路村、白地村から採られた佐馬地村という村名だったことからという。
浴室は、シンプルな大浴槽があるのみだったが、いかにもアルカリ性の温泉という、ぬるりとした滑らかな浴感で、なかなか良かった。泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩泉で、肌がすべすべになるといわれる美人の湯である。ちなみに、掛け流しではないが、加水もされておらず、循環濾過という。
施設的には、風呂の種類の少なさや脱衣所の構造など、かんぽの宿時代の古さを感じてしまうのは、やや否めないところだろうか。ただ、入浴料が安い割に温泉の質が良く、利用しやすい温泉である。
城好きの人間ならば、白地城の本丸跡にある温泉ということで、ほかの温泉とは少し違った感慨を持つ温泉かもしれない。白地城の痕跡は、残念ながら施設内にはほぼ無いのだが、駐車場に説明板があり、湯を冷ましつつ当時の城の姿を思い浮かべるのも、また愉しいものである。
最終訪問日:2000/6/11
大歩危小歩危へラフティングに行った帰りに寄ったんですが、なかなかいい感じの湯ざわりで、ゆったりと入浴することができました。
当時はまだ、かんぽの宿でしたね。
入浴料も500円と安く、いい温泉でした。