Mottyの旅日記 Archive

Mottyが巡った場所の記憶と記録

伊東温泉

 伊豆半島かの東側から伊豆大島にかけては、非常に活発な火山活動があった場所だが、伊東周辺にはその恩恵として、いくつもの源泉が存在する。このため、一般には伊東温泉と呼ばれてはいるが、伊東温泉郷と呼ぶのがより正確だろう。

 伊東温泉の源泉数や湧出量は相当なもので、資料によって数が違うのだが、源泉数は650から800本、湧出量は毎分3万リットル以上と桁違いで、共に日本の温泉の中では5本の指に入っている。

 伊東市のホームページには、別府温泉、熱海温泉と並んで日本三大温泉郷に数えられているとあり、昭和25年(1950)にこの3都市が国際観光温泉文化都市に定められたのがその由来のようだ。ただ、どうもこの名称はそれほど有名ではないようで、日本三大温泉場の方が通りが良いのかもしれない。

 伊東温泉の開湯は平安時代とされ、伊東温泉郷の中でも最も古いとされる伊東三湯の猪戸ノ湯では、傷ついた猪が湯治していたことから発見されたという伝承が伝わっている。記録上では、貞観18年(876)に藤原資範が利用したことが見え、少なくともこれより以前には開湯されていたようだ。

 江戸時代には、病に臥せっていた3代将軍家光に湯の献上が行われ、家光はみるみる病状を回復したという。これにより、将軍献上の湯として人気となり、江戸時代中期以降は湯治場として多くの庶民が利用した。明治時代には文人もこの温泉を愛し、多くの著名人が訪れている。

 泉質は、源泉の数が多いために共通ではないが、単純泉と塩化物泉が多く、温度は25℃から68℃と、バラつきがあるようだ。ただ、共に刺激の少ない泉質で、湧出量の豊富さから、150軒余りの温泉宿泊施設では、ほとんどが掛け流しになっているという。

 自分が入浴したのは単純泉の温泉だったが、癖の無いさらりとした浴感で、疲れた体にはちょうど良かった。この浴感は、何度も入るのに適しているのかもしれない。伊東の街を歩けば、そこらじゅうと言っていいほど街の外れから市街地、山の上まで温泉宿があるのは圧巻で、さすが日本有数の温泉町である。

 

最終訪問日:2013/5/19

 

 

訪れた時は、共同湯10軒の内、七福神にちなんだ浴場が、何故か数が合わないものの8軒あって、スタンプラリーが行われていました。

陽が落ちた後の到着で、早朝に出発したこともあって慌ただしかったので、次は昼間にゆったりと滞在して、外湯巡りをしたいものですね。